※2011年4月4日に再開致しました。今後は"少しでも良く生きるために"をテーマに投稿していきたいと考えております。これからも宜しくお願い致します。 ********************************************************
お久し振りです。置物です。
まず、突然何の前触れもなく更新をストップさせている私に「生きてるか?」と温かい言葉を掛けてくれた友達のみんな、ありがとう。元気にしてます。又みんなに連絡するからね^^
さて、突然更新をストップさせていた理由は「(私にとっての)ブログを書く意義を見失った」為です。例えば観光地の紹介であれば私の不十分な情報よりももっと正確な専門のサイトがあるでしょうし、そして何より、私の日常生活の話題を書いたとしても常に当たり障りのないことに終始してしまうからです。
私の生活は外国に住んでいるとはいえ、ごく普通の生活です。毎日同じように洗濯、掃除、食事の支度をし・・・と日本での生活となんら変わるところはありません。しかし、基本的には毎日同じことを繰り返す生活であっても毎日楽しく暮らせているのは生活の中に小さな発見、疑問等があるからです。それは時として社会問題の一端であったりもします。
では、それを書いてはどうか?と考えるとそういった社会問題をこのような公共の場で語る為には(その問題に対する考察が正しい、正しくないに関わらず)自分の中で多方面から十分に考察を重ねた上でなければならないのではないか、そうであれば、徒然なるままにその時思いついた疑問をその時の感情に任せて書くのは適切な行為ではないのではないか?と思うのです。
勿論私も人間ですので、ただ感情に任せて何かの話をしたい時もありますが、そんな時は公共の場ではなく、親しい友人に個人的に連絡をして気兼ねなく思った通りを話せたらそれで良いのかもしれない、と思ったのです。実際、このブログを開設したきっかけは遠く離れてしまう家族や友人との距離を縮めることが目的だった訳ですが、私の親は見ていないし(笑)、友人とは結局電話やメールで詳細や本音を話すことが多いのが現状です。
以上の経緯からこのブログを終了する考えに至りました。
但し、これはあくまでも私個人がブログを書くにあたっての意義について考えたものであり、「ブログ」そのものの持つ意味・価値について思うことではありません。実際、私が異国へ引越す度にその先々に住む方のブログを読ませて頂く事によって得られたものが大きかったことは大きな事実です。
今回ブログを閉鎖するにあたり、少しだけアメリカに生活する中で思うことを書き残したいと思います。
アメリカに来てまず感じたのは「大量消費社会」です。店はとにかく巨大、溢れんばかりの物や食べ物が巨大な店内を埋め尽くします。スーパーも私が車で10分程度で行ける範囲内に知っているだけでも4-5軒はあります。余り流行っていない店だとただ古くなって捨てられるのを待つだけの食べ物で一杯です。これはアメリカだけでなく日本やその他の国でも見られることでしょうが、特にアメリカで顕著に見うけられるような気がします。
必要以上に大きなもの、沢山のもの、そしてそれを惜しみなく使う・・・それが「豊かさ」の象徴とされているのかもしれません。
広告でも通販でも必ず安売りされた上に何かおまけが付いてきたり1個タダでついてきたり・・・
とにかくどんどん単価を下げて沢山の物を消費者に買わせることに一生懸命です。
そんなアメリカのシステムの一つに「返品制度」があります。返品する為の条件は店によって若干の差はありますが、店によっては「欠陥商品でなくとも、一度使用されていようとも」返品が可能です。理由は何でも良いのです。レシートすら要らない店もあります。(あえて私はこう呼びますが)悪徳な消費者はこの消費者保護制度を逆手にとって「一度使ったけどもう使うことはない物」とか「(開封したけど)間違って買ったから」とかいう自分勝手極まりない理由によって返品します。
この制度はウォールマートから始まり、その他の店にも広まったそうですが、消費者保護の観点から始めた制度が逆手に取られていったとも考えられるし、又店側は商品をメーカーに返してしまえば良いだけなので、とにかく客が来て商品を買う機会が増えることだけを目的に始めたとも考えられます。
何れにせよ、「便利じゃないか。この制度を使わなくては損だ。」といってモラルの欠片も感じられない行動をとっても良いのでしょうか?
この制度を悪用する人達はきっと「私がこれを返したからといって、店が潰れる訳でもないし」と言うでしょう。確かに、それは事実かもしれませんが、必ずどこかで誰かがそのしわ寄せを受けていることを考えなければなりません。商品としてなんら問題が無いにも関わらず、商品としての価値を失い返品されるその商品が帰っていく先には、安い賃金・過酷な労働条件下で働く人達がいることを忘れてはいけないと思うのです。(また当然大量のゴミも発生します。)
もっとリアルに考えて下さい。自分の畑で栽培した野菜を売る八百屋さんで「初めて見る果物」を買って一口かじってみましたが、美味しくなかった。それを持っていって「私の好きな味ではないから返す」と言っているようなものです。野菜としての問題は一切無かったにも関わらず、商品としての価値を無くされた挙句、その野菜を作る為に使った費用・労働力等、その対価の全てがその農家の人には返ってこないのです。
個人的には返品できる条件は「欠陥商品である」または「未開封の状態=商品としての価値が一切落ちていない状態」に限られるのではないかと思います。
それ以外の場合は自分の意思で購入した物として受け止めるべきだと思うのです。
少しでも安くし、大量に消費させよう。
このような仕組み・風潮が何を生み出し、どのような影響を及ぼしているのかについては社会問題・環境問題等多岐に渡る領域に及ぶ問題であると思う為ここでこれ以上言及することはしません。
今ここに書いたことはアメリカだけの問題ではないと思います。豊かさの意味を考え、自分のその時の都合だけを考えてモラルを失った行動をとることを自己制御することを訴えたいと思います。
この文章がこれを読んで下さった方に疑問を感じるきっかけを少しでも与えることが出来ればと思います。
最後に、アリゾナはとても良いところです。
夏はとっても暑いですが、冬は信じられない位快適です。
モールや店が立ち並ぶ市街地から離れればそこには巨大な砂漠(荒野?)が広がります。信じられない形をした岩山やどこまでも広がる荒野には巨大なサボテンが生え、トカゲや野うさぎも愛嬌一杯の姿で走り回っています。本当に自然が美しいです。
生活はとても便利で、(人によって満足度は違うでしょうが)日本食品も沢山手に入り、日本人にはとても住み易いところであるように感じます。
是非一度お越し下さい。
そしてもう一つのお勧めの場所はオランダです。
ここに行って私たち夫婦の価値観が大きく変わりました。
豊かな生活とは何か。その他異文化との接し方等、(手放しにオランダの全てを肯定するわけではありませんが) 考えさせられる点が多い国であることは確かです。
そして本当に綺麗で、歩いているだけでほっとできる場所です。
こちらも是非、機会があれば行ってみてください。
もうすぐクリスマスがやってきます。
皆さんだけでなく、世界中の全ての人に素敵なクリスマスと平和が訪れることを心から祈りつつ、最後の投稿とさせて頂きます。
これまでこのブログを読んで下さった皆さん、ありがとうございました!
置物